MARS 考察


 札幌圏に、ぜひ紹介したい中毒性の高いシステムの紹介を、 ということで総発行部数500(人づてに聞いた話で)のシステムをご案内〜
 MARSって何ぞや!?と言う話題から始まるのですが、
illennium fter  unes& wordsの頭文字4字で マルスと読みます。
 では、まず諸データから。

タイトル:MARS
定価:3990円(税込み)
初版:2003年12月6日
デザイナー:DOS
イラスト:一撃丸
発売元:グランペール
サプリ:no date


 システムのジャンルはファンタジーに属していますが、私の表現では軍記物となります。 巻末にあるデザイナーの言葉を借りると、
「国を動かす英雄たちの物語に興味があった。 (中略)多くのシュミレーションでは、大規模な戦闘を再現できても、彼らの日常は不透明であり、 従来のRPGでは、日常生活は再現できても、政治手腕を振るい多くの兵を率いるダイナミズムがほとんどあり ませんでした。  MARSはその両者を同時に、かつできる限り簡単なルールで実現させようとしたわがままなゲームです」
 PLは君主(国王)を始めとするする国の重責を担う英雄として、時に隣国と戦い、モンスターを排し、 国の存亡を図るというダイナミックな展開が楽しめます。

 判定にはダイスを使用せず、トランプを用います。技能のコンボや、フェイト等のヒーローポイントに近 いルールもあり、既存のシステムで表現するならば、「トーキョウN◎VA」ベースに「迷宮キングダム」のエッセンスを足し、 シニカルポップとダンジョンを省いたシステムです。(2で割りません)
 雰囲気が近い「迷宮キングダム」と比較するならば、遊びやすさは格段に迷宮キングダムの方が上です。
 まず、システムが複雑でチャート類の異様なまでの多さ。そして覚えなくてはならないルールの数々。ルールブックを一読しただけでゲームの大まかな流れを把握することも難しいとおもわれます。
 ですがくだんの「迷キン」と比較して手軽さにでは明らかに後れを取りますが、 扱えるスケールの大きさはMARSの方が上であると確信しています。MARSの本質は【積み重ねていく】ことにあります。『時』を重ねていくにつれ『国』は繁栄していくでしょう。『世代』を重ねていくことにより、その技は、知識は研鑽されていくはずです。あなたやあなたの仲間が積み重ねた偉業により何十年後、何百年後に人口数十万、あるいは数百万を擁する超大国に成長しているかもしれません。
 ですが興亡趨勢、人の命に限りがあるように、あなたの『国』も自らが積み重ねた歴史の重さゆえに緩やかに滅びていきます。これは我々の歴史が証明しています。そして気づくはずです。「これが歴史である」と。

 私自身の言葉でもっともシンプルかつむりむりに形容した場合「ファンタジー版三国志」となります。
 その三国志において、有名な戦いの一つ「赤壁の戦い」で破れた側の雄、曹操の「郭嘉が生きていればこのような大敗はなかっただろうに」との台詞があります。この郭嘉とは、曹操が中原で群雄と覇を競う際に多大な貢献をした参謀だといわれています。そして郭嘉は「赤壁の戦い」の前に30代の若さで、風土病によって亡くなったとされています。
 また三国志の後半部の主役ともいえる蜀の軍師「諸葛孔明」も、その胸中に大望を秘めながらも五度目の北伐「五丈原の戦い」にてその命を散らします。

 さて、冒頭の台詞に戻しましょう。PLは英雄である。この言葉に偽りはありません。ですが、英雄とは後の世の人たちが「伝わっている」偉業に対して送る称号です。実際に後の世で英雄と呼ばれるのはおそらくほんの一握りでしょう。多くの場合英雄たる資質を持ちながらもとうとうと流れ往く歴史の大河に埋もれていくのです。
 あなたの創った英雄は、どうでしょうか?








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